子どもたちの「困った」を「可能性」に変える新しい視点
教育現場や子育ての中で、
「なぜじっとしていられないのだろう」
「どうして順番を待てないのだろう」
「感情が爆発してしまうのはなぜ?」

そんな疑問や悩みを抱いた経験のある方は少なくないでしょう。
しかし近年、脳科学や発達心理学の発展によって、私たちは子どもたちの行動をこれまでとは異なる視点から理解できるようになってきました。
今回ご紹介するのは、教育学者・橋本敬良(はしもと・けいりょう)氏による2冊の発達学習書。
・『教養課程の、発達《なるほど》ノート』
・『ポップコーンageの、発達の《たのしも》ノート』
です。
どちらも単なる育児書や教育書ではありません。
「人間の発達」を深く、そして温かく理解するためのリベラルアーツ(教養)の書として、多くの人に新しい気づきを与えてくれる作品です。
目次
『教養課程の、発達《なるほど》ノート』(発達の多様性を学ぶための新しい教養書)

本書は、小学校教育現場で見られる子どもたちの様々な行動を起点に、
発達段階の課題
発達上の特性
学習や社会性の成長
について深く考察した一冊です。
特徴的なのは、発達特性を「異常」や「改善すべき問題」として扱わないこと。
むしろ、
「人間の豊かな多様性のひとつ」
として捉えている点です。
現代社会では、
発達障害
グレーゾーン
個性
などの言葉が多く使われています。
しかし本書は診断名にとらわれるのではなく、
「その子がどのように世界を感じているのか」
を理解しようとする視点を大切にしています。
全75章で学ぶ子どもたちのリアル

第1部では75章にわたり、教育現場で実際に見られる様々な場面が紹介されています。
例えば、
「手をふる前に目が合ったんです」
「あと少しが待てない」
「音の大きさに心がゆれる」
「いつも消しゴムがない」
「見とおしがつかないと不安」
など、一見すると日常の些細な出来事です。
しかし、その背景には発達の仕組みや脳の働きが隠されています。
各章は
・語りの本文
・よりそいのヒント
・学びのキーワード
の3部構成。
専門知識を持たない人でも理解しやすい内容になっています。
自分自身を見つめ直すノートにもなる
本書がユニークなのは、
「子どもを学ぶ本」
であると同時に、
「自分自身を学ぶ本」
でもあることです。
読み進めるうちに、
「自分も子どもの頃そうだった」
「今でも似た傾向がある」
と感じる読者も多いでしょう。
人間の発達は子どもだけの話ではありません。
誰もが発達の延長線上に生きています。
だからこそ本書は、
教師
保育士
支援者
保護者
学生
だけでなく、
すべての大人に読んでほしい一冊です。
『ポップコーンageの、発達の《たのしも》ノート』(子どもの「なぜ?」を脳科学で読み解く一冊)

2冊目は非常に興味深いタイトルの作品です。
「ポップコーンage」
これは著者・橋本氏による造語です。
おおむね4歳から9歳頃の子どもたちを指しています。
なぜポップコーンなのか。
それは、一粒一粒が異なるタイミングで弾けるポップコーンの姿が、子どもたちの発達そのものだからです。
同じ年齢でも、
成長速度
感情表現
言葉の発達
社会性
集中力
は大きく異なります。
その多様性を肯定的に捉えた言葉が「ポップコーンage」なのです。
子どもの行動には理由がある
本書では、
「なぜじっとしていられないのか」
「なぜ感情が爆発するのか」
「なぜ友達とぶつかるのか」
といった疑問を、脳科学と発達心理学の視点から解説しています。
特に印象的なのは、
感情を生み出す扁桃体は活発
感情をコントロールする前頭葉は未成熟
という説明です。
つまり、
子どもが感情的になるのは性格の問題ではなく、
脳の発達段階による自然な現象でもあるのです。
この視点を知るだけで、
親や教師の心は大きく軽くなります。
子育てに疲れた大人にも寄り添う内容

本書は決して子どもだけを理解する本ではありません。
実は、
子育てに疲れた保護者
悩みを抱える教師
保育現場で奮闘する支援者
にも優しく寄り添う内容になっています。
第10章には
「オトナのセルフケア」
も収録。
子どもの発達を学ぶだけでなく、
大人自身の心も整えるヒントが得られます。
まさに、
「子ども理解」と「大人の癒やし」
の両方を兼ね備えた作品です。
2冊を読むことで見えてくる共通テーマ
両作品に共通しているのは、
「違いを受け入れる」
という考え方です。
発達の特性を
問題
欠点
矯正対象
として見るのではなく、
可能性
個性
豊かな多様性
として見る。
その視点は、これからの教育や子育てにおいて非常に重要になるでしょう。
また専門知識が豊富でありながら、
難しい学術書ではなく、
誰でも読み進められるやさしい語り口で書かれている点も魅力です。
著者プロフィール(橋本敬良(はしもと・けいりょう))


橋本敬良氏は、人間の発達領域を専門とする教育学者です。
特に、
発達過程における課題
発達特性
子どもの学び
教育実践
について長年研究を続けています。
特徴的なのは、実際の教育現場に入り込むエスノグラフィー(Ethnography)の研究手法。
学校
保育現場
特別支援教育
などに直接身を置き、
子どもたちの日常を丁寧に観察し続けています。
そのため理論だけではなく、
現場から生まれたリアルな知見が数多く盛り込まれています。
また、
「子どもをみる目は現場で育てる」
という信念を持ち、
教育者や保育者、支援者から高い支持を集めています。
京都市在住。
「ポップコーンage」という言葉の提唱者でもあります。
書籍情報
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まとめ
『教養課程の、発達《なるほど》ノート』と『ポップコーンageの、発達の《たのしも》ノート』は、単なる発達解説本ではありません。
子どもたちの行動の背景を知り、
多様性を理解し、
大人自身の視野を広げるための教養書です。
教育関係者はもちろん、
保護者
保育士
学生
支援者
そして「人間の発達」に興味のあるすべての人におすすめしたい2冊です。
子どもたちの「ちがい」を問題としてではなく、未来の可能性として見つめる。

そんな新しい学びの旅に出たい方は、ぜひ手に取ってみてください。
きっとこれまでとは違う優しいまなざしで、子どもたちの世界を見ることができるようになるはずです。




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